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薬物犯罪、目立つ地域格差 国際空港を管内に抱える地裁に起訴集中(産経新聞)

【裁判員制度施行1年】

 覚せい剤取締法違反罪で裁判員裁判の対象となるのは、営利目的の密輸と製造の“組織的犯罪”に限られており、相次ぐ芸能人の逮捕で注目を浴びた使用や所持といった“個人的犯罪”は裁判員の審理の対象外となっている。

 「これまで覚醒(かくせい)剤についてあまり興味はなかったが、裁判に参加して恐ろしさを実感した」

 東京地裁で開かれた薬物犯罪の裁判で、裁判員を務めた男性がこう話すように、密輸や製造の罪が重く罰せられる背景には「国の安定を脅かす」との視点がある。ただ、薬物犯罪は水際での摘発が中心となるため、大きな国際空港を管内に抱える地裁に起訴が集中する“地域格差”の問題も浮かび上がる。

 平成21年度中に起訴された裁判員裁判対象事件の被告は1662人で、このうち最も多かったのは成田空港がある千葉地裁の163人。続いて関西国際空港がある大阪地裁の145人。薬物犯罪の被告119人のうち千葉(44人)と大阪(28人)で半数以上を占めており、この偏りが両地裁を裁判員裁判取り扱いの上位2位に押し上げている。

 地域格差は、裁判員への負担に加え、法曹三者の負担も増える。実際、千葉地裁管内の対象事件を、千葉の弁護士だけではなく、周辺の弁護士会の弁護士が担うケースも出てきている。

 千葉地裁で覚醒剤密輸事件の裁判員裁判を担当したことのある東京の弁護士は「薬物関連の事件が対象に入ったことで、千葉だけで事件を抱えることが難しくなるかもしれない。われわれ(東京の弁護士)が担当するケースは今後も続くのでは」と話している。(大泉晋之助)

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